植物アラカルト
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病害虫編
病害虫の対策と予防法を教えてください。
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まずは症状をしっかり見きわめよう。
植物にとって害虫の種類は、病気以上に多種多様です。葉や茎などを食い荒らしたり、栄養分を吸い取ったりするだけでなく、種類によってはすす病などを誘発したりするものもいます。

病害虫の駆除は日頃から予防を心がけているとそれほど苦にはなりません。害虫は葉や花・若い枝などに発生するのですぐわかります。そのため発生しだい殺虫剤を吹き付けてあげれば駆除できます。また発生の1ヶ月前くらいから薬剤を予防散布しておけばいっそう効果があがります。

一方、病気は植物に病菌が付着してから症状が出るまでに10〜30日の潜伏期間がありますので、目に見えるようになるころには相当進行している場合があります。そのときあわてて薬剤を蒔いても病菌は駆除できますが、黒斑や白粉は残ってしまうので見た目には美しくありません。したがって、病害に対しては20〜25日おきに定期的な薬剤の予防散布をおこなうことが大切です。

病害虫が多く発生する条件として「高温多湿時期 」「日照不足」「低温多湿時期」「風通しの悪さ」「土の排水性の悪さ」などがあげられます。したがって植物が健康的に育つ環境をつくれば、だいたいの病害虫を防ぐことができます。かといって、害虫の発生を完全に抑えることはなかなかできないのが現状です。下記に主な病害虫とその対策方法をまとめましたのでお役立てください。

●ウドンコ病
5〜10月/病状:新芽や葉、つぼみなどの表面に小麦粉のような白いカビが発生する。/対策:サプロールやミラネシンなどを散布する。
●灰色カビ病
3〜12月/病状:茎・葉・つぼみ・花などに灰色のカビが発生。カビは風で飛び散りやすいので対応は素早く。/対策:ロプラールやベンレート水和剤も効果的。
●さび病
5〜8月/病状:葉に赤褐色の粉をかけたようになる。/ 対策:発生前にマンネブダイセンを散布する。
●すす病
周年/病状:葉や枝が黒く汚れる。アブラムシやカイガラムシの分泌液に感染する。/ 対策:ジネフ剤の殺菌剤の散布と原因となる害虫駆除。
●斑点性病害
周年/病状:茎葉から球根・花までいろいろな大きさの黒や褐色の斑点が現れる。/対策:葉に水をかけないよう、ベンレート水和剤などを散布。
●ウイルスによる病害
3〜10月/病状:株の先端部が萎縮し生育が悪くなる。葉や花が奇形化したりモザイク模様がでることも。/対策:治療ができないので削除する。その時使う用具は第三リン酸ナトリウム水溶液で消毒すること。
●アブラムシ
3〜10月/病状:葉裏や枝に発生し植物の汁液を吸って弱らせる。葉がしおれるなど。/対策:オルトラン粒剤をまいて予防しておく。強い水圧で取り除くなど。
●ハダニ
4〜10月/病状:体長は0.5ミリくらいで肉眼では殆どわからない。白い斑点が広がり葉が褪せる。/対策:強い水をかけたり、殺ダニ剤をかける。
●ナメクジ
3〜11月/病状:夜行性で葉や花などを食害する。カタツムリも同様。/対策:ビールで誘引し夜間捕殺する。ナメクジ誘殺剤を使う。
●カイガラムシ
3〜10月/病状:葉裏や枝に発生し植物の汁液を吸って弱らせる。葉がしおれるなど。/対策:冬期に硫黄石灰を使用する、マシン油乳剤を散布する。
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薬剤の取扱には気をつけて、慎重に。
薬剤を蒔くときの注意点を教えてください。
薬剤を使用する時は添付されている取扱説明書をよく読み指示にしたがって散布するようにしてください。効き目が見られないからといって薬剤を濃くしたりすると、かえって無用な薬害をもたらす場合もあります。

散布にあたっては風の吹いていない穏やかな天気の日を見はからい、必ず屋外でおこなってください。帽子やマスクなどで身支度を整え、洗濯物などはあらかじめ取り込んでおくようにしてください。また薬剤は枝葉の表面だけでなく裏面にもしっかり散布し、枝葉の密集している奧までていねいに散布してください。一度つくった薬剤はぜんぶ使い切りましょう。使用した噴射機や衣服はきれいに洗っておくことも大切です。
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